早稲田大学建築学科 講義「設計演習B/C」の作品アーカイブ

2015年3月5日木曜日

「2014年度 設計演習B/C」

「設計演習B/C」は早稲田大学建築学科、学部2年生を対象としたデザイン演習科目であり、また早稲田建築の伝統的な授業です。
建築にとどまらない多様な視点から、ドローイング、立体、映像などの表現による作品を求めるものです。
本HPは「2014年度 設計演習B/C」の優秀作品を掲載したものです。



 一年間、ご指導いただいた入江正之教授、ならびに講師の安東陽子先生、山本卓郎先生、伊原慶先生に心より感謝致します。
 学生の皆さん、本当にありがとうございました。
 2014年度 設計演習B/C  TA 三角 俊喜

2015年1月15日木曜日

1月21日(水)の講義に関するお知らせ


 1月21日の講義は13時30分より、冬期休業期課題の講評を行なった後、設計演習BCの表彰式を行ないます。表彰式の内容に関しましては、学生諸君がこれまで取り組んだ課題における成績に準じ最優秀賞および優秀賞を表彰する他、講師の先生方およびTAの琴線に触れる佳品を制作した学生に対し各々の個人賞として褒賞します。
 本講義を履修している学生の皆さんは時間厳守必ず出席を心がけてください。



2014年12月30日火曜日


「家」とは、身体的にも精神的にも身近であるが故に、喚起力がある一方、
ある一定のスケールに当てはめて、想像を制限してしまうきらいがある。

家のスケールを著しく小さくする、あるいは自分がとても小さくなったと仮定し
「家」を知覚するとき、家のような「ものやこと」が表現できないか。

「材質」や「重量」「造り方」は、
天候や環境、施工性、運搬性など様々な制約から解き放たれ、自由になる。

架空のストーリーを自ら創作して、様々な制約から自由で、かつ、
スケールの往来が知覚的に可能な「家のような」ものをデザインしてください。


体裁: 立体作品
サイズ:275×275×275 以内 程度 (多少の逸脱はかまいません。)

ただし、空間や周辺環境のコンテクストから読み解いて設計するような通常の設計課題ではないので

スケールやマテリアルなど、知覚的にわかるテーマを設けて制作を行ってください。

2014年12月11日木曜日


1X13A005 足立 絵梨 A+++











「物干し竿」(無題)

 ベランダや庭で干される洗濯物のゾーニングを、家や植栽、ビル群に見たてている。作られている素材はフェルトで布的な表現。吊られている軽やかさと、自然発生的に隔てられたハンガーや洗濯ハサミと対比しているあたり、相当意図的である。身近な生活の1シーンを街、都市の視点まで引き上げる良作。(伊原)


1X13A081 杉山 祐太郎 A++











 人がかぶれるくらいの大きさの家型の屋根、壁は柔らかくて薄い生地でできている。

中にはいると、人間の身体と家の空間のスケールが一体となる。p内側からはオーガンジー越しに見える外の世界とつながり、外側からは人の存在は消えてしまう。人のスケール感覚を考えさせられるユニークな良い作品。(安東)


1X13A106 田辺 一己 A++











 ゲームのような盤の上にグリッド状に配置された人々、そしてそれを囲う透明な家型のフレーム。フレームは移動させることが出来、つまり「家」に囲まれた構成員は組み換えや置換が可能であることを示している。シニカルで示唆的、発展の余地を多く含む作品だが、製作の精度がアイディアに追いついていないのが残念。(山本)


1X13A022 稲畑 環 A++









 アプローチを含めた家路まで含めて家である。あるいは非常に奇妙なロケーションを持つ家なのだろうか。いくつかの解釈がありうるが、いずれにしてもあえてシークエンスの方を主役、家を小さなものとして表現した方法は巧みかつ印象的。実際に建築の設計を行う際のヒントともなりうる作品。(山本)


1X13A118 中田 大智 A++








「たまごパックシェル」(無題)
 たまごパックはとても優秀なパッケージである。丸めるだけで立派なシェルになるのであるが、素材の気づき以上の何かになっていない。パックの1モジュールごとに場が成立したりすると、もう一段示唆的になるのではないか。(伊原)